16歳で太陽を食べた男

父親は、この世的に立派な人間だった。

真面目一筋に生きてきた。
365日働いていた。
死ぬ直前まで働いていた。

これは祖父も同じであった。
だから、人間は死ぬ直前まで働き続けるならば、ボケる事はないと思っている。

父が話してくれた事の中には、様々な家における非喜劇があるが、
いつかそれを書きたいと思っている。

父親と私は同じ血液型、顔もそっくり。
だから、メガネをかけて鏡を見ると、父がそこにいる(笑)。

父が天皇陛下から賜った勲章は、私のブローチになる予定である。
デザインが優れており、ルビー色の輝きがなんともオシャレ。

晩年の父は、自分を少し失っていたけれど
『16歳の時太陽を呑み込んだ事がある』と語っていた。

他人の悪口をいっさい言わない人だった。
妬まれる事もあったらしいが、
光には陰が出来る事を身を持って私に教えてくれた。

父親は不思議な人物だと思うが、あまり語らずにこの世を去った。

この人の背後に見た様々な歴史的人物。

それが不思議で、この人は何なのだろうかと未だに謎は深い。

父親は霊媒体質に違いないと思うが、超現実的に生きた。