レトロで新しい?インテリア 「鉄瓶」のお話

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最近キモノに目覚めたお友達Aさんは、不粋なワタシに、風流なお仲間Bさんを
「私以上に変わり者だよ」と言って紹介してくれた。
18歳まで某国で育った帰国子女で、30代で学生をやっているBさん。

3人で去年の秋、とあるカフェでコーヒーを飲んでいる時だった。
最近「和」に目覚めて、昭和モダンでレトロ趣味な日々を楽しんでいるの
と語ってくれた。

Bさん 「手ごろな火鉢が欲しいと思っていたら、道ばたに捨ててあったの。
    いちおうそこの家の人に聞いて、いらないんですというから、やった!
    それを引きずって、持って帰ってきたんだ。それがいい感じなの~」
Aさん 「いいねえ~」
私  「うんうん♪ のんびり苦めのお茶を飲んだり、夜なべ仕事したり」
Aさん 「破れた靴下の穴とか繕ったりして凍えた手をあっためてたんだよね。昔は」
Bさん 「割烹着着てね。…あとは鉄瓶があったらいい雰囲気なんだけどなあ」
私  「ん? 鉄瓶? 鉄瓶ならうちにいっぱいあるよ」
Bさん 「えっ? 本当?」
私  「うん。古いやつばかりだけど…欲しいの?」
Aさん 「どこにあるの?」
私  「実家だよ。今回は帰ったらいろいろ整理するから見てこようか」
Bさん 「鉄瓶欲しい~~」
Aさん 「私も~~~」

その日の夜、ちょっと考えこんでしまった。
実家の物置きはガラクタばかりだ。
ホコリだらけでろくに見ていない。
使えそうな鉄瓶があったかどうか不安になったのだ。
あげるのなら、ちゃんとしたものをあげたい。
Aさんに電話した。
「うーん。たぶんましなやつは親戚が持っていったろうなあと思うの。
使えそうなのがあるかどうか…一個くらいはましなのあるかも。
でも錆びついてて、ダメかもしれないよ」
「私は余分があればでいいよ。でもね、Bさんは、たとえ錆びていても、
ゴシゴシ磨いてでも使えるようにする人だよ。もし錆びていても、彼女にはゼヒ」

というわけで、数カ月後、
つまり一週間前に、様々な紆余曲折(?)を経て、
Bさんの和の渋いお部屋に、
亡くなった祖母の愛用だった鉄瓶が届いたのだった。
ふたの部分の青いサビがいい感じである。

この鉄瓶には思い出がある。
下を向いて、お茶缶からお茶の葉を出している時の祖母の顔が、
鉄瓶の湯気の向こうで揺れていた。
朱泥の急須でちょろちょろと、小さな湯飲みに少量ずつ順に注ぎ足しながら、
苦味が均等になるように祖母は注ぐ。
飲まされたお茶はいつも、6歳の私には苦かった。
今はお茶は苦めのほうが好きである。

ここまで読んでくださってありがとう。
このへんで、お茶でもいかがですか? (苦いよー♪) 

 ( ^^)_旦~~