パリサイ派の起源……『歴史読本』臨時増刊特集:ユダヤ=フリー メーソン謎の国際機関)より

●『歴史読本』臨時増刊、
(特集:ユダヤ=フリーメーソン謎の国際機関)

新人物往来社、平成3年刊

太田竜さんの記事
■『ユダヤの対キリスト教謀略史』より

《ところで、話はカライ派のことではない。パリサイ派である。
新約聖書では、イエスが痛烈に批判した宗派としておなじみだ。

パリサイ派は、サンヘドリン(ユダヤ最高評議会)を
握っており、ユダヤ社会における権力は大きかった。
そもそも、このパリサイ派とは何者であろうか?

彼らの起源は、紀元前六世紀のバビロン虜囚時代にさかのぼる。
バビロンで、ユダヤの学者、宗教指導者(ラビ)たちは、
この国(カルデア人)の神官、学者、占星術師、預言者たちと
交わるようになった。

そしてその結果、ユダヤのラビたちは、
カルデアの学問と宗教を取り入れ、それを
ユダヤ風につくり変えて、モーゼの律法とはまったく異質な、
一つの新興宗教を作り上げた。
これがパリサイ派の起源である。

彼らの新宗教の内容は

(1)神は存在しない。
人間こそ万物の上に君臨する神である。

(2)人間はユダヤ民族のみである。
ユダヤ以外の人間は動物であり
ユダヤの奴隷たるべきものである。

という二項目に要約できる。
彼らは、秘密結社をつくり
ユダヤ人社会における独占的支配権を確立する陰謀を始める。
これが、パリサイ派の実体である。

ちなみにパリサイとはヘブライ語
「特別なもの」という意味だ。》
(p.67)