(3)M市ストーカー殺人事件について……ワタシの妄想的雑考

M市のストーカー事件について、真相はあえて詳細は調べずに書いている。
タイトルに、『…ワタシの妄想的雑考』としている通りである。

さて、テレビニュースを見た時点の
この事件のIの感情を想像してみた。
そのニュースの時点では、被害者と加害者は
以前交際していた事は報道されていた。
先入観と思い込みも入れて、以下にIの気持ちを書いてみる。

*****


俺たち、以前はお互い楽しかった時を共有した同士なのにな。
いまや、君は俺に関心なんてない、わかってる。
だけど、言い訳さえ聞く耳を持たれず、
その上、俺のどこが危険だって!?
俺はストーカーじゃない。
君の理解の無さときたら!
君は身勝手だ。
君が俺を誤解してるから、俺は誤差を修正したいだけだ。
なのに、俺を犯罪者扱いか。
……
俺を拒否したな。
君を恨んでる。
だが、もうそれさえどうでもよくなった。
俺は俺の周囲にも、君のせいで迷惑をかけた。
俺は、君の心無い振る舞いのせいで、こんなにおかしくなったんだ。
君の身勝手な対応に俺は怒ってる――
君のせいだ。
俺の人生はもう駄目だ。
全部、君のせいだ。……

*****


まだまだ書けるが…。
果たして、こんな程度なんだろうか。
もっと激しいかもしれないし、醜悪かもしれない。
まぁ、前述したものは、Iの感情についてのワタシの完全なる妄想である。

その上で話を進める。
たとえば、こうした感情はこうやって
文字に起こして客観化できれば
相手の心情もフワッと見え出すことがあるものだが…

もちろん、未練と憎しみの間を揺れ動くだろうから、
ある意味、危険な状態に陥るかもしれないが…。

恋愛関係にあり、幸福な思いを共有した者同士が破綻した
となると、なかなか第三者には
それを理解するのは難しいものがある。

さらに言えば、こうした感情は
自分の置かれた『理不尽さ』を意識した事により
引き出されてくるものだから、特殊な感情といえるだろう。

しかし、そうした理不尽な状況に置かれたのも
また、自分が原因となっているのだが。
(これこそ『事実』である☆)

しかし、本人がそういうふうに、自分の感情が自分で
客観的に見られるのならば、こんなふうに理不尽な状況に
追いつめられたりはしない訳であるが。

要するに、本人が自分の状況に対して
理不尽さを感じている時点で、
それは危機的である事を自覚すべきなのだ。

あるいは気付いた知人なり、友人なりが伝えるべきである。
『あなたが相手に誤解を解こうとすればするほど
あなたは、より理不尽な状況になってしまう』
と。

注意しなければならないのは、
本当に、本人のためを考えて説得しなくてはならないという事だ。

それが出来たならば、次の段階で、
こうした感情を客観化する作業を始めると良いのかもしれない。

すでに、この時点で
本人はストーカー行為をしているだろうから
ぶっちゃけて書くが

本人は自分の唯一の見方を頑固に信じており
絶対的だと思い込んでいるだろう。

実は事実ではないかもしれないのにである。

つまり、上記の私の妄想したIの感情であるが
それが本当だとしたらIに言いたいのである。

Iさん、あなたは、この感情を『事実』だと信じ込み
犯行に至ったのでしょうが、事実じゃない可能性もあるんですよ、と。

もし、これをIが別のもう一つの見方、
つまり別の事実があると知っていれば、
犯行に至らなかった場合だってあるかもしれないのだ。

美しい彼らの将来は、両者共に、バラ色に輝いたであろう。

それどころか、27歳になった彼らは再会し
懐かしく思い出を語り合い
Hはしないが、キスはかわすだろう。

場所は香港だ。

S子さんはそれから香港で出会った人と婚約。
宝石商の妻になる。

再びIは振られたけれど、40になる手前で彼は仕事でブレイクする。
結婚したアジア某国の妻は若くして亡くなるが
子どもは日本でアイドルになる。
名前は愛。


実際、人間は、なぜか1つの『行動』しか選べない。
いくつかの選択肢に迷い、1つしか選べないのだ。

*****

まず、仮に『X』と呼ぶ架空の人間がいることにする。
Xは、Iと同じ犯罪を犯す寸前にあり、
同じ状況にある人物としよう。

だが、Xは、上記の感情でY子さんの部屋に侵入し殺害しようとしたが
Y子さんは短距離の選手だったので、逃げる事が出来た。
Xは、成人したIと違いまだ18だった。

心ある人物がXに気持ちの整理をさせるべく、対話を持った。

*****

X君、君は君の内にある感情が事実だと信じて行動したが
それは本当に事実だったんだろうか。

まず、1つ目、君とY子さんが恋愛関係にあった時
君は楽しい時間を共有したというが
そもそもそれは本当だったのだろうか?

つぎに2つ目は、君はY子さんは
もう自分に関心はないというのはどうだろうか?

本当に彼女は君に関心は無いのだろうか。

しかし、まずひとつめの解答次第で、二つ目も答えは違ってくる。

君がY子さんと楽しかったのは事実。しかし、Y子さんはどうだろう?
本当に君といて楽しかったのかな。
はじめはともかく、
結果的に別れたくなるということは、交際中、楽しいばかり
ではなかったから
共に居たくない気持ちが
少しずつでも生まれたのではないだろうか?

君はそうしたY子さんの微妙な心の変化に
気付けなかっただけじゃないのかな?

あるいは、Y子さんは将来の夢を持っていたし
それに向けて気持ちを集中したかったから、
君のことより、そちらに関心があったのかもしれない。

まだ、Y子さんは、恋愛に集中出来る時期ではなかったんじゃないか?

また、君とは別の男性に関心を持ったのかもしれない。
だがそれは君にだって起こりうる事だ。
それを、理不尽だと責める理由にはならない。

気持ちは常に変化しているし
本来の性格もあるし
お互いのタイミングというのもある。

これはお互い様なんだよね。

どの時点で、君はY子さんと、お互い楽しい時間を共有したと言いたいのかな?

まず、この事柄については、Y子さんの意見を聞かなければ事実はわからない。

だから、2つ目の、Y子さんが関心がないというのも
交際中からすでに関心を失っていたのかもしれないし
詳しいことは本人に聞いてみなければわからないんだ。

どうだろうか?


*****


……とまあ、こんなふうに、1つずつ紐解いてゆくと
実は一つ一つが自分の思い込みであり
全くの勘違いであったという事も出てくるのだ。

そうしたプロセスの中で、XがY子さんと交際する中で
感じていたY子さんへの小さな不満とか、疑問などを
思い出す事にもつながるだろう。
Xは、それを決して表に出さず、胸に秘めて接していた事もあるだろう。
満たされない思いはそこに溜まるのかもしれない。

そうした自分の内部にある隠していた思いを見出す事が重要なのだ。
カタルシスを起こす事――自分のために泣く事は最重要だ。


つづく