(1)聖なるV字★『クラ』と『カマ』について……吉野裕子著 『隠された神々』講談社現代親書(p.12~14より)

クラ、ハラ、、クリ、カマ…やたら私の霊言に出てくる言葉である。
面白い本を見つけた。


《穴をあらわす日本語は数多いが、すぐ思いうかべられるものに、
ホラ(洞)ハラ(腹・胎)ムロ(室・窟)カマ(洞・釜)クボ(窪)などがある。
そのほか、穴を意味するものとして「クラ」を加えたい。
クラについては拙著『扇』『日本古代呪術』などにおいて詳述したので、(略)

古事記』上巻記載の神名のなかに、
(1)アメノクラドノカミ(天之闇戸神
(2)クラオカミノカミ(闇於加美神)
(3)クラミツハノカミ(闇美津羽神)
(4)クラヤマツミノカミ(闇山津見神
といって、「クラ」を冠せられた神々がある。》

この四神は、いずれも渓谷を司り
(1)以外は迦具土神から生まれている。
《(2)と(3)は手の股、(4)は足の股間からの所生である。
迦具土神自身、伊邪那美神の陰(ほと)を灼いた神である。》


これらの共通点から、著者はひとつの推論を出す。

「クラ」とはV字型の事であるというのだ。

渓谷、手の股、陰(ほと)、とくに山と山の窪みの谷は典型的なV字型。
「クラ」は谷の古語でもあるらしい。