『ノアの大洪水を引き起こした元凶は金星である』byベリコフスキー(1895‐1979)……様々な地の神話の中の金星は魔神だった

月の引力が大地震に関係あるとのニュースを昨日見た。

30年近く前の、AZ(アズ)』に、ベリコフスキーという学者の
金星が大洪水を起こした説があった。

まずはベリコフスキーって、誰やねん?

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ベリコフスキー【Immanuel Velikovsky】1895‐1979

ロシア生れの古代史研究家。モスクワ大学で医学を修め,
フロイトの研究を経て1938年以降はアメリカに在住する。
著書《衝突する宇宙》(1950)は,太陽系に侵入した大彗星が
歴史時代にはいっていた地球全体に大災害を与えたことを,
世界中の神話伝承や古記録から検証したもので,賛否両論の渦を巻き起こした。
問題の大彗星がわずか数千年前に金星として太陽系に取り込まれたという主張は
無理があるものの,古代史に残る大事件と天体異変との関連に
照明をあてた研究として評価する向きもある。


コトバンクより
https://kotobank.jp/word/%E3%83%99%E3%83%AA%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC-1204353

以下は、

●雑誌『AZ(アズ)』第5号
(1988年(昭和63年)8月15日発行 新人物往来社刊)
宇宙神話としてのアトランチス』p.108~113
山内雅夫(やまのうちまさお)著
より抜粋。 



ロシア系ユダヤ人の精神分析医で、古代史研究家のイマニエル・ベリコフスキー(1895~1979)は、
世界各地の神話に伝わる大洪水に着目し、各地の神話伝説を精読した結果、
ノアの洪水は単なる寓話ではなく、地球上の大異変だったと確信した。
そして大洪水を地球上にひき起こした元凶は、金星だという。
天のビーナスといわれるあの優雅な明星である。ところが
古代の神話に登場する金星はいずれも荒ぶる魔神なのだ。

シュメールの神話では、金星は天の野牛とよばれ、その光輝は松明(注:たいまつ)のように燃えていた。
これがアッシリアの神話になると、その姿は火の衣をまとった恐るべき竜と化す。
さらに、ユダヤ聖典『タルムード』では彗星のように尾のある星であり、
エジプトでは人間の生贄を喜ぶ頭髪のある星。
ギリシアでは世界を火で焼き亡ぼすパエトン。
アズテックの神話では羽のある蛇、ケツァルコワトル。
中国では殺害を司る不吉な将軍、太白。
ヒンドゥーの『ヴェーダ』でも火と煙の星と記されるキナ臭い星だ。

ベリコフスキーは言う。
「金星はキリスト生誕の数千年前に木星から千切れて誕生し、
太陽系に新しく加わった若い惑星である。そのため、金星は
巨大な彗星と化して太陽系をさまよいBC1500年ごろ、地球に接近して火の雨を降らし、
大規模な災害、地震、流星雨、大津波、洪水、大陸の沈没をひき起こした。
さらに地球の回転軸をもずらしてしまった。その後、BC8世紀の初めごろ、
金星は火星に最接近して、火星もその公転軌道から押し出した。
このため、BC687年まで、地球と火星の間に衝突寸前の危険が何度も繰り返された。
それからやっと、金星は現在の公転軌道に落ち着いたのだ」

1950年、ベリコフスキーが発表したこの『衝突する宇宙』は
世人を欺く怪誕妄説として天文学者からは憤激を買ったが、その一方で、
聖書に書かれている事柄をそのまま信じるファンダメンタリストからは
聖書の金言を科学的に実証したものとして熱烈に支持され、
論争が論争を呼ぶなかで、本の発売部数はたちまち鰻上りに上昇し、
記録的なベストセラーとなった。

ベリコフスキーによるまでもなく宇宙に関する最古の記録は
神話に秘められているのだ。しかし、古代においては天と地を
縦横に往来しえたスーパーマンも時代が下がるにしたがって、神通力を失い普通の人となる。
すでに、今から2000年前のギリシアの知識人の間では、
神話(ミトス)の世界は理性(ロゴス)の世界とはかけ離れた
異なる次元とみなされていた。その意味で最後の神話的世界の
住人はプラトンだったといえるだろう。

(終)

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コメント欄のコピペ(自分のコメント)

 コメント(1)

臨死体験の方で、月が洪水を…って、言っていた人がいたような。

あ、木内さんか!

本を読もうとして、まだ読んでない。
持ってるはず。

スピリチュアルな方々が、アトランティス大陸ムー大陸系ネタにシフトしていっていたら、
あの世の意向かもしれないよん。

私の読まされている、(考えさせられている)傾向はそれっぽいなあ… 削除
2016/9/19(月) 午後 9:58 [ zen ] 返信する