恋とすさみと悪魔と天使……魂の快復のとき

若さゆえの傲慢さと、過剰な自意識、そして強い自己顕示欲を持っているという事が、
当時の私には、たくましくて、素敵に見えた女友達。
彼女らは美しかった。

彼女らの背後に、地獄霊が暗躍していた事、それを偶然の形で知らされた事は、
ある意味、奇跡。
こんな不思議は、人生にはよくある。
それは、天使が現実の実態を教えてくれているのだ。
そのメッセージを聞き取れるかどうかは、その人の理性の発達度、思考力によるだろう。

出会った人々が、すさみきった人々とは思わず、信用して、素直にベラベラ、恋の悩みを
話していた私は、驚くべき彼女たちのの本性を知ることになる。

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すでに、私は、カルマの中に絡め取られていたのかもしれない。
この時期は、自分らしく生き始めた頃~祖父の死までの、大雑把に言えば、
1980年代の出来事の一部分である。
本当にメモや記録を残しておけば良かったとつくづく思う。


友達A子と友達B子の2人が、私の見ていない所で、私を裏切っていた話だ。
どういう裏切りかというと、ちょっと考えられないコトを、2人はやりやがったのだ。

A子とB子は、私を通じて面識があった。2人とも、私よりいくつか年上で、2人が会った時、
A子はB子を老けていると私に言い、B子はA子を下品でケバいと私に言った。
ライバル意識だ。
しかし、結局、2人とも私を舐めきっていた点では共通していた。

私は、当時、自分の身に起きていた事を、年上の友達に、普通に、気を許して
それぞれに話していた。それはC君との恋愛の悩みだった。
C君と私ははっきりしない関係だったが、たぶん、私に問題があったのだと思う。
前に恋した人への想いを引きずっていたのだ。C君との恋は進展しなかった。
C君から、アプローチしてくれたのに。

深いところまでは話さなかったが、友達には、悩んでいる事を素直に話していた。
だが、2人とも、私が思っていたようには、私の話を聞いてはいなかった。
その頃、C君の転勤が決まった。


C君が転勤してしばらくしたある日、、私がある演劇を見に行った時、隣に座っていた人が、
偶然、A子との共通の知人だった。C君の事も知っている。
彼から、聞かされた事は、青天の霹靂的大事件だった。
『A子、C君の所に行ってきたそうだ。日帰りで。泊まって温泉入ってくりゃいいのになあ』
『日帰り旅行は、いつだって言ってた?』
『一昨日じゃないかな』

最初は意味がわからなかった。
A子が、C君の家に遊びに行った……?
『数日前、A子と電話で話した時は、そんな事ひと言も……』
私は鈍かった。
誘ってくれれば、一緒に遊びに行ったのにと考えたくらい、おめでたい性格だった。
ふと、疑いが湧いた。
『まさか、わざと私に伝えず、C君に会いに行ったとか?』

だが、軽い気持ちに戻して、A子に電話して尋ねると、隠さず答えてくれた。
だが、コソコソ行ったのは事実だった。
しかし、もっと驚愕するような事実を知らされた。

『それがねえ……びっくりしたんだけど』
『え?』
『あっちで、B子さんにバッタリ会ったの。C君のところでさ』
『はあっ!?  なんで、B子さんが? Cとなんの縁もゆかりもないよ。どうして、住所がわかったの?』
『C君と会った事あるって言ってたよ。紹介した事あるの?』
『ないよ。………あ、あの時。行きつけの店で、たまたまかな。会ってるかも…』
『それだけで追っかけていったのかな』
『さあ……というか、頭の中、真っ白。意味がわかんない』
『まあ、ねえ…』

A子としては、C君に会いに行って抜け駆けしようとしたところを、B子によって
フェイントをかけられたような形になったのだ。
堂々と出来ないので、C君を知っている男性を誘って、突然押しかけたのだろう。

『ここまでやるか』の世界。
しかも、バレても、悪びれる様子はない。
それどころか、A子は開き直った。

私『ねえ、A子、私、あなたにC君との事、相談したよね。彼に言われた事、された事。
それに、私が悩んでいる事全部。なのに、どうして私に黙って、彼に会いに行ったの』
A子『相談?  そうね、何か言ってたね。でも、C君は、あなたのものじゃないでしょ』
私『そういう事じゃないでしょ。普通は、こんな事する人はいない。あなた、付き合っている人が
いるでしょう?』
A子『彼は浮気ばかりしてるのよ。付き合ってるなんて言えないわよ。C君が好きだから
会いに行っただけ。悪い?』

呆れてものが言えない。
なんという図々しい女!

要は、転勤先の彼の部屋に、A子とB子が、それぞれ、個別に、まさか同じ日に
別の女がやってくるとは思ってもみないで、訪れたという話だ。
ただ、それぞれが、誰にも内緒で、C君の家に、ガッついて、コソコソ向かった
その日にお互いに鉢合わせしてしまった。
悪い事は出来ないもんだな。

しかし、A子はC君をよく知っているから、彼に会いに行くのはおかしくはないが、
私に内緒で行くから頭に来ただけだ。
奇妙なのは、B子だ。
一度会っただけで、転勤で〇〇市へ行くという情報だけ知っていたはずだが、
それだけで、C君に会いに行ったのである。
当時は、思考が停止し、意味がわからなかった。
B子は、頭の良い、真面目な会社員だった。

後日、B子に確認すると、彼女は、目を伏せて答えた。
私『どうしてCの所に行ったの?  一度しか挨拶しかしていない人でしょ。
びっくりしてたんじゃない、C君。B子さん、ちょっと図々しくない?』
というか、知り合いでも何でもないコイツが、何のために、イキナリC君の所に押しかけたんだ?
まともな発想で出来る行動ではない。

B子が言うには、
B子『彼、覚えててくれたよ』
私『…なぜ行ったの?』
B子『何故行ったかって?  たまたま近くに行ったから』
だってさ。よく言うよ。

1,000キロ以上の距離で、たまたま、ですか。
彼の転勤先は、観光地じゃないんですが。
しかも、電話番号を調べて、彼に電話したそうな。ブッ飛んだわ。
彼にすれば、『誰?』っていう感覚だったろうな。

たまたま、同日に、ライバルA子が、男連れで彼を訪れたところと、鉢合わせだった訳だが、
1人で行ったB子は、勇気がある。というより、捨て身?

ストーカーじゃん。

再度おさらいししてみよう。
2人のオンナは、別々に出掛けたのに、同じ日だったので鉢合わせになった。
2人とも彼の事が好きだったんだなあ、とは思うが、
たぶん、私の言った言葉の内容から、C君と私は恋人ではないと受け取ったか、
もう終わったと受け取ったか。しかも、振られたと、受け取ったかもしれない。

ともかく、人が、真剣に悩んでいる事を、相談していた年上の女性達に、
『卑しいなあ』
『がっついてるなあ』
と私は呆れてしまった。

私はC君とは、友達以上になれなかったが、それにしても……
私は、友達2人にうまく説明出来なかったが、振られた訳ではない。
彼からアプローチされた私と彼の物語が、せっかくの良い思い出が、
グシャッと壊された感じ。
まあ、今となれば、お笑いなんだけど。

ちなみに、私と彼は、それからしばらくして、神戸で2人っきりで会っている。
この事を、A子とB子は今も知らない。
当たり前だろう。
コソコソ卑しい、がっついた真似をした彼女らなんて、もう友達とも思わない。
ここでの主役は私だ。

当時の私の友達や知人は、こうしたすさんだ、糞みたいな人しか居なかった。
私にバレちゃったB子の行為、もう友達なんか続けられる訳がない。
というより、これほどすさみきった内面を持っているとは。

当時の私も、確かにすさんでいた。
しかし、みっともない真似が出来るほど、プライドは壊れてなかった。
しかし、すさんでいた時期に出会った男性と、うまくいくはずはないと思った。

C君は言った。
『あなたは俺を好きじゃない』
『そんな事ないよ。好きだよ』
『いや、俺を好きじゃない。あなたは、別のものを見てる…』


それでも、私は忘れない。
C君の優しさ。C君との思い出。



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私は、この時期、わかりやすいほど、自分が正しい思考をしていると思った。
だから、神のチカラが働いていて、悪い事をする人々の事を、知らされるのだと思ったが、
同時に、『そこから離脱せよ』という、天使のメッセージだという事も感じていた。

『あなたは、とても良くない環境にいるのですよ。
あなたの周りにいる人々は、あなたの事を馬鹿にし、侮っているのです。
わかったら、そこを離れなさい』

こんな感じ。


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後に、私はこうした人間関係をリセットした。霊的なものが働き出したからだ。
同じ領域の人間関係の中で、ほかのエピソードもいくつかある。
今、事実をさらって、書き出しているのだけれど、バブルの頃だったから、
現実感がない物語のように感じる。
一応、わかりやすくするため、脚色しているが、事実に限りなく近いっす。


(書庫は戻した。悪霊や善霊の働きについて、読みやすくするため書いたものだから。
まだまだ霊的な視野から見た、私の自分史(?)は続く…(^^;;



【追記2017.2.23(木】

あの頃は、私もすさんでいたので、類は友を呼ぶと言うか、同じようなすさんだ人間しか
周囲に居なかった。
もちろん、すさんだ友達にも良い人もいれば、書いたように邪悪な人もいた。
すさみ方にも色々あって、このA子、B子のように、当時、結構、根は良い人達で、頭も良いが、
過去にいろいろあって、傷ついてきた人々だった。
私は、自分の内的な事で苦しんでいていて、孤独だった。友達は多かったが。
理解者などいなかったからだ。
そんな中でも、彼女達は、年上というだけでなく、傲慢なくらいの尺度で他人を批評して、
面白い人達だと感じていたが、自己顕示欲が強かったし、すさんでいた。
私はもちろん彼女達と同様、1人の男性を求めていたが、出会いというのは、両者の心情が
安定していなければ、うまくいくものではないのだと思っていた。

もしかしたら、彼女達は、C君を追いたかった私の気持ちを無意識に掬い取って、行動して
しまったのではないだろうか。
2人はなぜ、同じ日に出かけたのだろうか。
そこに、神が働いていると思った私だ……。

その後も、この記事に書いたような、邪悪な人々と、我ながら、飽きもせず出会う事になる。
いったい、いつになれば、そのような人々と縁を持たなくて済むようになるのだろうか。
と不思議なくらい、次々、苦しめられた。
彼らの中で、最終的に悪魔が憑くことになったケースも経験している。さんざん、私を舐めておいて、
助かりたい時だけ、助けを求めてきた。私は、『2度と他人を呪ったりしない』事も条件に助けた。
だが、その約束を破った。その人も根は良い子なのだ。
私は、他人には他人を救う事は出来ないと思っている。
自分で気付いてゆくしかない。

いつからスピリチュアルという特化した、宗教ビジネス領域が氾濫してきたのか知らないが、
原因は結果を生み出す事、つまり、自分の心に、歪みやすさみやずるさや憎悪などがあるなら
そうした歪んだこころをそのまま放っておいて、行動していった場合、その心根に相応しい
結果が出るだろう。
こうした事実をなぜきちんと書かないのだろう。

邪悪な人間は、スピリチュアルの顔をして、やってくる事がある事も知った。
天使の顔をした悪霊も多く居そうだな。
別の機会に書くかもね。