韓国の姑にも「新世代」がいるのですね 挟まれた世代「キンセネオムニ」

フジ系ザ・ドキュメンタリー 今日13:45からの「ぶっちゃけ 韓国に嫁いで」

についての続き。

一方、もうひとり。韓国人に嫁いだ、埼玉出身のますみさん。
えらがはっているけど、顔立ちの可愛らしい人。
お母さまが品がよくて、センスがよくってチャーミング。
スキンヘッドのお父様も、素敵な方です。
結婚式にお母さまのお召しになっておられたお洋服は参考にしたい。

結婚式の前に、夫の出身地の慣習である、過疎が進んだ村をあげての歓迎の日。
日本からますみさんの両親が訪れる。
始めは韓国人との結婚に反対していたお父さんも、思いがけず、村をあげての
歓迎ぶりに、あちらこちらの厨房や作業をする人々に、感謝するために
歩きまわられて・・・。
見てて、泣いちゃいましたよ~。
(言葉はわからないが、感謝は伝わったと思うよ)
複雑な思いだったでしょうに。

結婚式の当日。
ますみさんの父親に、新郎の挨拶はサプライズ・プレゼントになったようです。

日本語で、新郎が、ますみさんの父親に感謝とお礼を語ったのですね。
「最初は反対され、恐かったけど、私を好きになるようにしてくれて
ありがとうございます」
こんなありふれた内容だったかな。
でも、最後に

「ますみさんを世界一幸せにします」

という言葉があって、お父さんにとっては、これが一番嬉しいことだ
と、ナレーターが言っていました。

さてさて。

結婚後、ますみさんは、韓国の日本人の友人を尋ねました。
みんな夫は韓国人です。
いわば、さとみさんの先輩になるわけです。

そのなかで、紗智子さん(27)は、夫とは中国で知り合いました。
電車で一時間の距離に夫の親がいます。
韓国では、男は親のところを頻繁に訪問するのが習慣のようです。
以前に姑とは10か月同居経験がありました。
なにかいわくありげです。

お姑さんの「(日本人の嫁の紗智子さんを)韓国人にしようと思った」と
インタビューに答えてる場面がありましたが、それって、日本なら
「視野が狭い姑やなー」「気持ちはわかるけど、時代遅れだなー」っぽい
感じがしてきそうです。
思っていても口に出さないとか、不満はあっても、妥協する、嫌われないように
息子夫婦の好きにさせる、こういうのが日本的なあり方のような気がします。
まあ、大雑把ですが。
もちろん、この韓国風の「嫁は夫に従うべき」「老いた親の面倒は長男が
すべてみるべき」というのは、日本でもまだある考えだと思いますが。

でも、悪意でない限り、日本だと、あからさまに言わないと思うのです。
ところが、韓国では、悪意も敵意もなく、ズバッと言葉にして嫁に言うのですね。

「嫁を韓国人にしたいと思いました」

姑が、そういう思いを、あからさまに嫁に見せるのって、さとみさん
の夫のイケメン、ハンスの母親にもあったんですけど、それが
お嫁さんである、紗智子さんのプレッシャーになるとは考えないんですかね~?
単純に想像すると、わかるのですが。
韓国人姑はそういう想像さえしないんでしょうかね?

きっと、姑さんたちは、習慣が壊されずにいる中で、
どっぷり、あきらめというか、悔し泣きしながら、必死に順応して、
根性を培って、クンオンマになってきたんでしょうね~。

韓国の親たちは、というか、実際は日本でも、しばしば、というか、
いまだにあるわけですが、「妻は夫と親に従え」「家長中心主義」というやつ。
儒教か。儒教はほとんど知りませんが・・・。

韓国には儒教の歴史が、色濃く残っている国だということは知っています。
つい20年前は、処女でないと結婚できない国であり、不倫は罪になり、
罰せられていなかったかな。
(もちろん、日本でも不倫は犯罪行為です)

韓国芸能事情を当時ニュースで知って、驚いたもんです。
ハリウッドのゲイ排除が当時あったのも驚きでしたが。
当時「日本にもう処女はいない」からと、韓国に回春ツアーに出かける話題を
週刊誌で読んだことも覚えています。

(今や、韓国はどうなっているんでしょうか?)

ところで、儒教
日本はどうなんでしょうか?
紫式部の時代から江戸時代の途中までは、いや、男女の情念の歴史が
少なくとも市民つうか庶民には、しっかりありましたから、国民性の
根っこまで儒教は浸透してないような気がします。
いい国だ、日本。(よくわからん国ではある・・・)

日本における儒教の影響ってどの程度なのかな?
詳しくないけど、いずれ触れてみたいと思ってはいるのですが、ややこしそうです。
さて、こんなことまで考えが及んでしまう、「異文化コミュニケーションて難しい」
の世界ですが。

紗智子さんは、韓国人になるのは無理だ、日本人の自分はどこにゆくの? 
と泣けてきてしまう。
それは、夫の家族の人格とは別次元で存在する苦悩だと思うのです。
夫はそんな妻を見て、考えた結果、別居の道を選びます。
(優しいなあ~(*^o^*)

別居後に遊びに行っても、冗談が言える仲です。とりあえず、仲は悪
くないのですよね。義母はほんとうに悪い人ではなさそうなのです。
国民性のちがいか、年齢かもしれない。
韓国の姑たちだって、世代によって、外国人嫁への接し方がちがうのですから。

たとえば、ますみさんのことに戻ると、たぶん、
番組で、紗智子さんの姑の年齢を見忘れたんですが、
ますみさんの姑のほうが若いと思う。

姑の家族についての考え方も、世代によって微妙にちがうようです。

ますみさんは夫を送りだすとひとりぼっちになります。
話し相手は誰もいない。
通常、韓国ならば、夫の家に頻繁に連絡してくるのが、韓国姑のあり方らしいんですが、
ますみさんの場合はそれがないそうです。
他の韓国人に嫁いだ妻たちのような、姑による息子家族への干渉もない。

姑ミンジャさんの嫁いだ頃は、姑からかなりプレッシャーを与えられた世代らしいです。
21歳で彼女が嫁いだのは、まだ韓国が貧しかった頃。
36年前は日本だって・・・うーんと、高度成長期か。

57歳の姑はキンセネオムニ(挟まれた世代)。どういう意味?
勝手に解釈してみると、上からは押さえつけられて、思いどおりになるはずの
子供からは尊敬されず、権威がない、という、上下に挟まれた世代ということかしら?

番組で説明してなかったぞ~(`m´)=3
(ワタシが聞きのがしたかな)
これは韓国、次の時代のキーワードになるかもね♪


さて、姑が思うのは
「(連絡しなかったのは)ますみに、どうしたらストレスを与えずに、この家に
慣れてゆくようにできるのかを考えていたのよ。ますみが嫌いなわけじゃないの」

ふうん。
韓国にも、新世代的な水くさい姑もいるんだな。

秋の終わり、キムジャンの季節に(キムチをつくる)自分から姑を訪問したますみさん。
ますみさんはお姑さんと一緒にキムチを作りました。
一緒に作ったキムチは、一家が一年に食べるキムチです。
積極的に行動しないと、このお姑さんだと、トラブルはないけど相互理解もなさそうです。


現在の韓国では、8人に1人が国際結婚だそうです。
韓国も、内部から意識の変革を迫られる時がやってきてるんだなと、考えさせられました。

こういうドキュメンタリー、もっと見たいものです。
地に根を張ったアクチュアルな姿を、消費されない連続したドキュメンタリーを
期待しています。


(終わり)