ゲイボーイと男装の麗人の奇妙な夫婦(2) でも、かた~い絆なのです(^^)

この記事は、

ゲイボーイ(♂)と男装の麗人(♀)の結婚 その果てにあるものは何?
https://blogs.yahoo.co.jp/zennarumiti2004/22825501.html
の続きです。


*********************************



4月27日(日)フジ系列 ザ・ドキュメンタリー「マキさんの老後」 細りゆく未来の物語

続きです。
さて、マキさんとよしえさんはどうなったんでしょうか?

以前、よしえさんは経営していたスナックに見切りをつけ、更年期障害になり、交通事故にあい、その後しばらくウツになりましたが、マキさんが生活を支えてくれました。


そして、50代になってから、よしえさんは介護ヘルパーの仕事に転職しました。
それは、今、働けないマキさんの役に立っています。

ケガをして働けないマキさんを支えてくれているよしえさん。
マキさんは、彼女との間に、夫婦の絆を意識したのでした。

さて。
右手が治りかけてきた2007年12月、
マキさんは思いきって、働こうと先輩ステファニーさん
からの紹介の仕事を受けました。

よしえさんから離れて、東京葛飾の「すのーどろっぷ」に
住み込みの短期ホステスの仕事です。

若い頃、華やかだった六本木「プチシャトー」からの先輩で、成功してる人は少ないです。

「肝臓をだめにした人、胃ガン、自殺、発狂、麻薬中毒、獄中死、成功した先輩など数えるしかいないわ‥‥」

しみじみとマキさんは言います。

「神代の昔から、この世にはオスとメスしかいない。(ゲイボーイなんて)世間から迫害を受け、世間体も悪くて‥‥」

「わたしはね、生まれ変わったら、今度はホモにもレズにも生まれない。人並みに、就職、結婚、子づくりしたいわ!」


「すのーどろっぷ」でのマキさんは、お化粧して、ほんとうに華やかで綺麗でした。
でも、腰痛が‥‥。

マキさんはうずくまってしまいました。

着替えの楽屋もない。ロッカーもない。
洗面の下に持ってきた荷物を収納し、
着替えはトイレの前。
(精神的にも、大変だったような気がする)

仕事が最後に近付いた頃、ろくに睡眠もとれないまま、一ヶ月におよぶ
住み込みの仕事が終わって、帰りの電車に乗りました。

前橋の駅に着きました。

マキさんは誰かを探しているようです。
よしえさんの姿が見えました。
二人は言葉少なく寄り添いあうのです。

だけど、また、家につくなり口げんかが始まって。

マキさんのいない時、ひとり質素な食事だったのに、
よしえさんは、マキさんの帰ったその日、奮発してごちそうを作りました。
準備を終えて、さあてよしえさんが「いただきます」
と見ると、マキさんは寝ています。

いや、気絶していたのです。

環境がきつかった出稼ぎでの緊張がほどけたのでしょうか。
たまっていた疲労
また、口げんかが始まった。原因はうやむや。

マキさんは言います。

「疲れるわ。やっと帰ってきたのに‥‥。あんたに笑っていてもらいたいのよ!」

「あんた、笑いなさいよ! わたしがトイレ行ってくるから、その3分の間に笑いなさいよ! いいわね?」

マキさんは強引に要求しました。
よしえさんは、ともかく微笑んでみます。
それを見て、マキさんは満足そうに微笑しました。
これで、一ヶ月間の疲れは消えてしまいました。
(というようなナレーション)

よしえさんのもとに戻って、はじめてマキさんはホッとできる。
もう、ギャンギャン口げんかはごめんだよね。
よしえさんが共にいてくれるだけでいいんだよね? マキさん。

番組の中で、この二人のこのシーンが、なんとも印象に残っています。
絆──そう、強い絆があるのです。このふたりには。
(ナレーションでもそういっていたです)
うまく表現できなくて、申し訳ないです。

老い──誰にでもやってくる時期。


さて。
マキさんの右手は治りました。
綺麗にお化粧して、スーツ姿の美しい女性姿のマキさんがいました。
お店に出かけるようなフォーマルな装いです。
でも、次のシーンで、
彼は、何人かの子供たちに勉強を教えていました。(オネエの姿のままで)

派遣の家庭教師。

それが彼の最終選択。
確かに、老いて体が動けなくなってもやれる仕事です。

よしえさんが、介護福祉士の試験を受けようと勉強していたのを
助けていたマキさん。
そこからの発想だったのかな?^^
なにしろ、早稲田大学卒業だもの。

でも。
だからこそ、80歳のマキさんのお母さんは、跡取り息子が、
まさか、オカマになるなんて、とショックで会ってくれないのですから。

「息子をオカマにするために育てたんじゃない!」

これがマキさんの母親の本音。

でもお母さん。
マキさんとよしえさんの言葉を、最後にあなたに贈ります。
二人を祝福してあげてとはいわない。
でも、こういう生き方もあるのだと、視野を広げてみてほしいな。

マキさん 「精神的な絆は存在するわ!」

よしえさん「人生死ぬまで共にいましょう。似たもの同士。ケンカもよし」

二人はね、お互いをかけがえがない者どうしだと、知っているんだよ。(*^。^*)


(終り)