廃墟

8年前の建築雑誌。
廃墟とリノベーションについて読んでいた。

海外ブランドメーカーのショップビルを、
日本の建築家が次々と建てるのが続いている頃、

私の知人の一人は、
かつての裕福な暮らしから
転落したかのような苦しい生活をしていた。

夫が外人女性と浮気をして、
その上騙されて、すべてを失ったのだ。

とかく、価格が異常設定なブランド物。
洋服、鞄、靴、財布、雑貨やアクセサリー、その他
高級品の証が価格のようになっていて、
異常だなと思えることが多い。

昔は、店の品物を身に付けるのにふさわしい人でなければ
売らなかった海外老舗ブランドは、
のちにそのおかたい売り方を捨て、
新しい手法で勝負に出たと
雑誌で読んだっけ。
客を選ばなくなったという。

ブランド物はほとんど買わない。
私にはふさわしくない。

前述の知人は、湯水のように買っていた。
そして、自邸の新築とマンションのリフォーム。
すばらしい豪邸。
かっこいい家具。
外国の別荘。

そして、夫には美しい愛人が・・・・・。
それも複数に貢ぐ、貢ぐ。
そして、絵に描いたような破綻・・・・・



疲れたら休もう。
ぐっすり眠ろう。
ゆっくりお風呂に入って、
マッサージしてもらって、
ゆったりくつろいで、
美味しいものを食べて
お茶を味わって、
適度に運動しよう。
自分自身のために。

それから、人を愛し、
人生のひとときひとときを創造してゆこう。

自分を信じるしかない時期もある。
断ち切るべき絆もある。
待つことさえ要らない出会いもある。


知人の結婚生活の始まりは、夫の
「君を幸福にするよ・・・・君はなにもしなくていい」
というものだったが、

最後は、愛人の家で暮らす夫に、
どうして家に戻ってこないのかと尋ねると、
「彼女は僕のために、働いてくれている。君は僕に何もしてくれてないだろう?」

だったそうだ。

だれが悪いのか、
妻が迂闊だったのか、
夫が身勝手なのか、
そんなことより、

こう会話があった時期は、
まだ良かったのだ、

さまざまな経過を経て、
彼女の夫は廃墟となった。