官僚ってなんだ? 公僕か? それとも国民の指導者か?

フランス革命絶対王政を倒しても、
官僚という「組織」は何も変わらなかった。

議会民主政治になっても、
人は変わったかもしれないが、
同じ「官僚組織」は継続されて政治は行われた。

共和国も、さすがに
専門職集団である
官僚なしには動かないからである。


ブルジョア政府は、
王様から権力を奪い、
財政権を得、
人事権を得た。

そして

人民の意志の代表者である「議会」が、「党」が、

「任命権」を持ち、
官僚を任命するようになった。

「官僚は公僕である」という考えはここから出たという。
(公僕=パブリック・サーバント


自由と平等のための革命は、
官僚の地位を

王様の権威

から、

議会に任命される立場

へと変えた。

議会民主主義政治になっても
様々な問題が起きてきた。

この官僚組織のあり方は、日本でも具合の悪い事が起き、
その都度、
人員の選ばれ方を見直されるものの、
それでも不公平は今も起きている。

日本の明治政府、
士族がほとんどで始まった官僚たちは、
封建主義下の忠誠心を、
次に明治政府にすげ替え、

「自分は国家を背負っている」

という使命感をっていた(らしい)。


高級官僚はエリートである、というのは常識

最近では、
昔ほどではないかもしれないが、
一般的にはそう思われてきた。

本来は、
国民に選ばれた代表者に使われる身であり、
すなわち

公僕

なのであるが、

官僚達は、

自分たちは人民を指導する立場であり、政治的支配層にいる立場であるのだ

という
大きな歴史的な勘違いをしているのではないだろうか。

公僕

は、国民の意志の代表者である
代議員のもとで、
国民のためになる仕事が出来るよう、
お手伝いする立場であるにすぎない。

国がたちゆくには、
国家のあり方がどう変わろうと、
官僚は常に必要な

専門家集団である。


政治家は、
一挙手一投足が問われ、
責任を問われ、
信頼を試され、
選挙に影響する。

だが、官僚は、
選挙や弾劾というものを免除されて、
地位は保証されて、政治家と同様の政治的支配を行う存在である。
    
     ・・・こんな感じか(ー。ー;)

んで、
そういった事情からか、
一種の

指導者的イデオロギー

を常に持っているのが官僚だということが、
ある本に書いてあった。


金権政治
公平性を求めた公務員試験・・・
それでも不公平さはなくならない・・・

官僚のことはほとんど興味のなかった私だったが、
民主党がもしかしたら次の与党かもしれない時代となって、
あらためて考えるに、
自民党でもやりにくそうな官僚へのなすべき対応が、
民主党ではどうなんだ?と思った。
官僚の無駄づかいをなくせるのか?

初めて
「官僚ってなんなんだ?」
と思い、本を探してみた。

どんなに政治のあり方が変わろうと、
国民からの評価を気にしなくてよい分、
お約束の腐敗状態になるまで、
それほど時間はかからなかったろう。

さて、
ある本とは30年前の本である。

●「文芸の社会学加藤秀俊著 PHP研究所 1979年刊


学生に毎週一冊の文庫本を読んでもらい、
小説世界に描かれた世界から、
著者の思う

「文学作品というのは、それを生んだ社会をうつしだす鏡である」

という考えによって、
社会学の理解を深めてもらおうと学生に
講義した内容そのままの本。
30年前の内容ながら、
結構おもしろくて参考になった。

この本の第二章「組織」というテーマで、

松本清張の「中央流砂」

を通して
当時の官僚制の問題を取り上げている。

小説は一人の課長補佐が、作並温泉で崖下に落ちて死んでいた・・・
他殺か自殺か。
この謎をめぐって物語が展開する。

10年ほど前にTVで放映されていたと思うが、
記憶がない。
原作も読んでいないけど。

加藤氏は、推理小説として以上に、

『日本のお役所を動かしている人間関係というのは、この小説の中にはかなりよく描かれていると思います』(p.54)

だから取り上げたんだろうな
30年前に・・・

30年前の官僚の世界てこういう感じか
という事がイメージできた。
それに官僚制がどうしてできたかも、あらためて知った気分・・・。

でも実は、官僚制ってなんだかよくわからない。

官僚制というのは、
清明氏によると

『任命職の専門行政官が、民主責任の保証を免除されること』(p.55)


著者はこの言が明快に語られていると思ったそうである。

要するに、官僚というのは政治家ではない。
一言でいえば、行政官である。

政治家(立法が仕事)は選挙によって
常に責任や信頼を問われるのに、

官僚(行政が仕事)は国民による弾劾や民主責任を免除されたまま、政治的支配を行う。


はじめに書いたことの繰り返しになるけれど、
まずはこれを押さえておきたくて。

あらためて目からウロコグモです(ん?)

失礼ながら、官僚というと

ノーパンしゃぶしゃぶ

のイメージが・・・・・・
古いネタで申し訳ない(苦笑)

表向き、超きちんとしていないとねみたいな世界の裏で、
ストレスもたまるんだろうと思っていたが、
以来、官僚ってスケベ集団というイメージしかなかった。
ごめんなさい(_ _;)

勉強しますので、
お許しください。
m(_ _)m

学ぶきっかけになった本であります。
いやー、古本てホントにいいですね~
(^^)


(30日夕 記事公開。修正しました)