カフェ開店の夢を実現したものの…

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街にカフェはいろいろあるが、
昔、知人が趣味でカフェをはじめたことがあった。

女性はあるていどの年齢になると、
なぜかカフェだの、ギャラリーだのを
開きたがる人が多いように感じるが、
なぜだろうか。

知人の場合は、
そこにみんなが集まれる
コミュニティをつくりたいというものだった。

教職者だったので、
未来が不安がないかわりに
つまらない未来への空しさに
なにか、他人も自分もおもしろいなと感じることをしたいと
楽しい思い出が欲しいと
そんな動機だった。

それ以上に、自分より年齢の高い婦人が
何人も病気がちで、
その中には、
旅行どころか、
スーパーさえ行けない人もいて
庭が雑草だらけで、荒れ放題、
という人もいた。

外に出られるだけ幸福なのだ。
そうかと思うと、
病院通いが日課であって、
精神的に病んだ人もいた。

彼女は最初は避けたいと思ったが、
その人々は、
未来の自分の姿かもしれないと思えた。


彼女は自宅を一部リフォームし、カフェをつくった。

家族はみんな成人し家を出ていたし、
夫は単身赴任中の時期のことだった。
一番の
きっかけは母親の死だった。
少しばかりの遺産が入った。

アパートを建てようか、
海外に移住しようか、いろんなことを夫と考えた。

夫は国内を望んだ。
彼女は親しい友人、知人が近所に多くいた。
その中には前述した人々もいた。

彼女は周囲の知人友人にくらべてまだ若かった。

彼女は近所の知人たちにいった。
「カフェを開きたいの」
「みんなと楽しい時間を過ごしたいの」
「このまま、年をとるだけなんていやだわ」

周囲は、
「あなたはまだ若いわ。
楽しいことなんて、他にいくらでもあるじゃないの。
他人のために生きようだなんて
年寄り臭いことを言っていないで、自分のやりたいことをなさいな」

そうかしら…
自分のやりたいことをやったほうがいいのかしら…

それで、一大決意して
ある国に留学してみた。

だが、帰国すると何も変わらなかった。

やっぱり、自分にとってやりたいことはこれだわ…

で、
結論がカフェを開くことだった。

もう、誰にも相談しなかった。


バーベキューの会を催す、
海へ行く、
花火に行く、
カラオケ大会、
サイクリング、
集まってパーティや旅行や
文化的なことを催していった。

そこには、友人や親しいご近所だけでなく
夫や若いいとこや甥や姪がいて、
輝きのない日々を生きる人々に
活気を与えていたが、

若かった当時の私も
添え物のような役割だった。

今、
その知人のような年齢になって、
お年寄りが多くなった街を歩いていて、
彼女の気持ちがわかるようになった。

じゃあ、
あなたは大人のコミュニティを持ちたいかと問われれば、

答えは「ノー」である。

彼女のカフェは今はない。

最初はよかったが、
老人にもいろんな人がいて、
女性に手を出すことの好きな老人もいたりして、
ドロドロしたものが人間関係に入り込むようになって
雰囲気がおかしくなっていったのだった。

いろんなことがあったという。
疲れ果てた知人は、体調を崩した。

カフェの夢はいい思い出も残ったが、
苦い経験として彼女の現在に生かされている。

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久々の更新です。

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ありがとうございました。

m(_ _)m

(一部修正しました)