らせん階段

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6月

午後の目黒川

ヴェローチェでお茶したあと
懐かしい思い出の地を歩いてみた
駅方向に

変わらないものと 変わったもの

テーブルクロスを買ったあの店
スパイス棚を買ったあの店
ハンバーグライスを食べたあの店

覚えてる?

権之助坂・・・・

あの頃は
静かに 緩やかに時間が流れてた

わたしが
赤いスカーフを買った あの日


そういえば
さっき
らせん階段を見かけた

かっこいいね って

あなたが言ってた
倉俣史朗のらせん階段を思い出した

それに バラの椅子も思い出した

そして あなたを思い出した


愛のない行為など絶対できない

そう言ったわたしと

気が合えばできるさ
気の合う相手なら

たぶん・・・・
だれとでもね

そう言ったあなた

それは無理よ
と わたしは言った

あなた
わたしのこと どう思ってるの?
つきあう気なんてないんでしょ

そんな約束はしていないぜ・・・・

だから・・・・だから
無理なんだって・・・・

わたしは息をつまらせた


遊びではできないって
言ってるのに

そこに触れることがなかったのは
何故だったんだろう

あなたは、わたしが
一人で苦しんでいたことに
気づいてなかったようだけど

あなたにとっては
どうでもいいことだったのよ




(注:フィクションです)