『風立ちぬ』……強い人間とは、解放された夢世界を持つことで、心の自由を守れるヒトである?

あまり宮崎アニメは絵柄が好きではないが
あまりに評判が良いため、見てきた。

ところが、途中で最後がわかってしまった。
泣ける期待は無くなったけれど、最後まで飽きる事はなかった。

惰性で観ていたはずが、映像に目を見張りっ放し。

建物や内部のリアリティは元々定評があるが
とくに飛行機の映像は迫力があった。

街並みや、群集もリアル。
また、ナオコの着物やコートの色彩が、時代に合った色だし。
布団の柄も見ていて懐かしい。

ホリコシとホンジョウがライバルになるの読みは外れた

この話は、主人公ホリコシの夢の世界から見た物語だ。

外的世界は、飛行機作りという自分との戦いの世界。

そんな戦いの厳しさを、夢という内的世界が支える。

時は戦争用の飛行機が
いかに速く安全に飛べるかを競う時代であった。

そして、夢の飛行機が完成するが――


現実世界は、理屈に合わない嫌悪すべき様々な縛りだらけ。

内的世界がいかに解放されているかで
外的な圧力から、心の自由は守られる――

こんなメッセージを受け取れた映画。