《なんらかの世界観を得ようと躍起になっている人たちは…》……『天使と人間』シュタイナー著(イザラ書房刊)p.42より

《…一般に、「人間の魂の中に存在する、という点以外には、
思考や観念は世界の関連の中に居場所を持たない」と確信しています。
このような世界観の持ち主は、
「人間が知覚可能な行為をすることで、それらを価値ある
ものとするのに成功する場合にのみ、理想としての思考や観念は
世界の中で居場所を見つけるようになる」と、信じているのです。

一方人智学(アントロポゾフィー)的な考え方は、
「我々の思考や観念が現実のものとなるためには、
知覚可能な行為や感覚的な世界での行為によって生じるもの
とは別の道を見出なくてはならない」という点を、
私たちがはっきりと認識していることを前提にしています。

このような人生の必然性を認識するということの中には、既に、
人智学者は何らかの方法によって時代の兆候を監視することに
関与しなくてはならない」という要請が含まれています。

人間には――とりわけいまの時代の人間には――自分自身が
置かれている世界の進化の中で起こっていることに関して、
現実的な理解をすることが、義務として課せられているのです。》