時の魔法……ときめきの出会い達は、絶望を経てきらめく宝石となった

思い出してみてほしい。
ときめく出会いの初めには、貴方は様々なものを捨て去ったはずだ。
他人と比較する事、先入観、憶測で品定めしたり、決めつけたりする事
傷つくことを恐れるゆえの、他人と仮面で出会う事、価値付け、損得勘定…
貴方はそれらを捨て去り、真心にダイビングした。

やがて挫折、失望が訪れた貴方は
再び捨てたものを拾い集めるけれど…

裏切りや誤解や行き違いは、素直だった人間に
人生への恐れや不安を刻みつける。
自分さえも信じられなくなる。

貴方は、開いていた心のドアを閉ざし
ありきたりな歪んだ大人の顔を持つようになるかもしれない。

ときめきはもはや訪れない。それを信じない人には。

それでも、人はときめきをどこかで信じているのだ。
だから他人に優しく出来るのかもしれない。
歪んだ大人達も…

時おり思い出す、キラキラときめく出会い達。

絶望した出会い達は、甘い痛みとしてストックされた。
癒えない悲しみは苦悩となった。
やがて時間という魔法で洗われ、記憶という宝石になった。