脳内@建物探訪「渡辺篤史のこんな家に住みたい」講談社1998年刊 (p.116)

●建物探訪「渡辺篤史のこんな家に住みたい」講談社1998年刊
《設計の魔術! 斜めの間取りで広々空間M邸》(p.116)

                    【設計:増田政一】

1997年12月完成の住宅。
限られた土地に、広々住みやすく、風と光に溢れ、快適に暮らせるような家を
という、まるで不可能な夢を実現できる作家が、ここにもひとりいたという感じ。

気分が晴れる感じだ。

私が建築に興味を持ったのは、まさに、こういった心ある建築家が頭をひねって
それぞれのマジックを、個人住宅に展開してゆくからであった。
けれども、TVで取り上げられてしまう頃には、こうした夢の世界?は、
消費され、次第に荒らされ、原点は見失わされてしまうのではないだろうか。


さて。
1階は斜めに、つまり、四角の敷地に対角線の角度に車庫をとってある。
車庫の左右にドアがある。
左のドアは玄関。入ってすぐ、左右に階段が見える。
左側には2階に上る階段、
右は地階に下りる階段である。
まず、(脳内で)右側の下りる開段で地階にいってみよう。

階下には趣味室と寝室。
寝室の奥のクロゼットの奥には、あれれ? 螺旋階段がある。
(この螺旋階段は、二階にも通じている。このことを覚えていてね)
それを上ると、浴室である。浴室には車庫に出られるドアがある。
そこは外部になる。

で、その向いが玄関ドアだ。(振り出しに戻ったのだ)
再び玄関に入り、今度は左側の階段を上ってみよう。
二階にはリビングとダイニング。奥にはキッチン。
キッチンの奥に螺旋階段がある。
ここから下りると、さきほどの1階の浴室につながっているのだ。

と書いても、わかりにくいなあと思う。
要は狭さの規制のある敷地を3層にして、立体的な動線のおかげで、ぐるぐる回れるので
広く感じられる工夫がしてあると言いたいのである。

家族が夫婦、子ども二人とあるが、子ども室は? と探していたら、リビングの横に
ロフトらしい階段があるからそこかな?
リビングにはデッキテラスに通じる畳敷きコーナーもある。

一階に6畳半くらいの台形和室があって、書斎にも客間にもなりそう。
地階の趣味室に水まわりもあって、シャワー室とかキッチンが後付けしやすそう。
ニ世帯住宅にもとの配慮らしい。

お年寄りがいたら、1階の和室にミニキッチンがあると便利だと思うが。
まあ、老人はいないから、いらないか。(トイレは付いている)


建物探訪「渡辺篤史のこんな家に住みたい」講談社1998年刊
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