有島武郎あれこれ(1)心中と往復書簡

たまたま偶然、手にとった本2冊。

●「因念霊の不思議」竹内てるよ たま出版 1978年刊

●「スイス探訪」國松孝次(前スイス大使・元警察庁長官角川書店 2003年刊


この2冊の本に共通している話題として、文学者、有島武郎がある。
気になったので、触れてみようと思っていた。

竹内てるよは、霊能者である。
美智子皇后が10代の頃、詩を投稿していた時に選者だった人らしい。
皇后が竹内てるよの詩を朗読されて、その名を知った人も多いだろう。
だが。
私は、詩人としてより先に、霊能者としての彼女の名を知っていた。

竹内てるよは、有島が心中する(1923年)相手波多野秋子と
日頃かかわりを持っていた人間である。

一方、國松は、この本で、有島の恋した一つ年上の、ホテル経営者の娘、
聡明なティルダ・ヘックと有島が心中する前年(1922年)まで、
16年間にわたる往復書簡などが展示された
有島武郎とティルダ・ヘック展」(2001年開催)について、
また、二人の関わりについて11ページも割いている。

白樺派の文学者有島武郎に、私はほとんど興味が持てない。
基本として知らなきゃとは思うが、「白樺派」イコール青臭い坊ちゃんの
群れという気がするのだ。

だから45くらいで心中するのだろう。
女性を道連れにして。
冗談じゃない。

死にたいなら、一人で勝手に死ねよ!!

心中は、場合によっては殺人じゃないかと思う。

私は大雑把に言えば、昔からそういった明治、あるいは明治的なにおいのする
青臭い文学君たちが嫌いだ。
日本の女性は当時は汚かったから、西洋女性の白い肌、整った美人と
日本女性と比較したとき、お坊ちゃまたちはロマンを捧げるに相応しい
麗しい女性のいない自国の未来に絶望したんだろうなと思えるのだ。

心中

「俺と一緒に死んでくれるか」と言う男は今でもいるだろう。
うーん、このテーマは今後も出てくるだろうが、範囲が広すぎるような。


………