【創作】開き直る「姑息な嘘吐き」になるまでの物語

若いブサイクがいた。
己のブサメンに悩む前に、心の苦しみに悩んでいた。彼をBと呼ぶ。

Bと同じように、心に悩みを持つ若いイケメンがいた。
悩むイケメンは、女性にとっては憧れの彼が近づきやすい存在となる。
彼には優しい女性たちとの恋が待っていた。
優しい思いやりのある美しい女性と、幸福な日々を築くことで、心の悩みはすでに建設的な未来へと変換を遂げていた。

一方、Bはただ同情はされるが、優しい女性は集まってきても、次の段階に進むことはない。
Bは、ここでイケメンと自分の違いに気付き、ショックを受ける。
自分にとって明るい未来のために、自分に何が必要か思案をめぐらした。

この段階で、Bの心の苦悩は消えていると言えた。前向きに考えるようになったのだから。

Bは考えた。
自分は深刻に悩んできたのに、大抵の人々は、外見に惑わされたり、振り回されたりして、悩まずに人生を過ごしている──

他人はBに言う。
「一生懸命生きていれば、きっと認めてもらえるよ」
「真面目に生きていれば、いいことがあるよ」

つづく