つづき2

Bは人のためになることは何かを手探りで探し始めた。
愚直だが、誠実な態度で真っ直ぐ突き進んでゆけば、わかってもらえるだろう。手当たり次第に、扉を叩いた。

…だが、どこにいても受け入れてもらえなかった。自分の理想が認められないことに愕然とした。
一生懸命接しているのに、「どこの馬の骨だ」扱い。
「感情的で目立ちたがり屋だな」とも言われた。
こんな自分ではいけないのか…やり方を変えて、自分の出自を出してみた。他人の自分を見る態度が変わった。

「人は飾りに心を動かされるのか?」
Bは出自という「外見」のお陰で仕事に就けた。

人間の外見と同じように、自分に何もしてくれない「飾り」でしかないと思った先祖の地位や誉──Bは、苦しんだ自分にはそれを利用する権利があると思った。

だが現実は現実。イケメンは、過去など無関係にモテモテではないか。

「どうせ、あいつに群がる女なんて、顔だけに惹かれるうるさい尻軽ばかりだろうさ」

人のために動いている俺の方が数倍エラいさ。何故わからない?
あんな凡人、楽しくやってるだけで、何があるというんだ。

つづく