苦笑い……

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ここで、私はプロポーズされた。

あなたの気まぐれの相手だとばかり思ってたのに。

あなたは私をじっと見つめてた。


バツイチ、子どもあり
鬱に苦しむ男性恐怖症の私なんて

恋愛上手な遊び人のあなたに
私の肉体はすぐに負けたけど

あなたに抱かれながら
「男なんて、皆同じ」
そう心の中で叫んでいたのよ。


「あなたを男性不信にさせたのは、いったい誰?」
そう、あなたは尋ねたわね。

「あなたには関係ないわ」

「君の体はこんなに従順なのに…攻撃的だ」

感じやすい場所を刺激されて
あなたにされるがままだった私。

でも、心の内側で
「この男もいずれ私を捨てるんだわ」
そう思ってた。

「君のお子さんに会ってみたいな」

そうあなたが言った時、一瞬、気持ちが揺らいだ。

でも、すぐ、過去の男達のように
いつかあなたも去ってゆくんでしょう?

「子どもの事は、あなたに関係ないわ」

それから、あなたからの連絡は、しばらく途絶えた。


あなたから久々に連絡をもらい、ここを散歩したわね。

あなたは、私に初めて悩みを打ち明けた。

友人の保証人になり、借金ができて、何年も支払いをしていたこと。

愛していた女性が去り、女性不信になったこと。

多数の女性と遊びまわっていたこと。

「君には同情したよ。まるで昔の僕だ。

君は哀れな氷のクィーン。救ってやろうと思っていた。

ところが、君を知るうちに、君が可憐な白雪姫に見えてきたって訳さ」

そしてプロポーズ。

その夜も私は抱かれた。

「君をずっと放したくない。好きだよ…」

いつもより激しく愛され、私は我慢できず、いつになく声をあげてしまった。

「結婚しよう。君の息子と僕、君、3人で幸せになるんだ…」

あなたから、今までにない熱いキス。

なのに、覚めた意識の中で、なぜか苦笑いしている私がいた。