『悟り』をめぐるテキトーな雑感(8)イエスから宇宙飛行士まで……イエスの原点、『ロゴス』と『ダバール』

やはり肉を持ちたる身の上ゆえに
メシアを世に出す意思を持ち働く人々には
生きる上で心もとない思いがあった事だろう。

確かな方向を、手探りで求めていたのではないだろうか。

とはいえ、人類が求めたメシアは
深い信仰の長き希求の果てに

慎重に準備されたオカルト的な経過でもたらされた『奇跡』ではなかったか。

私はそう捉えている。

だからこそ、イエスの存在は人類の一人である私には
関わりも思いも深くなるのである。

神秘的な奇跡を行い、宗教家としては当時革命的な
愛の行為の実践を説いたイエス

人間たちが待ち望んだ人物像であったのではないか。

彼は誰も語れなかった事を、勇気を出して語ったのだ。

エスの原点は、現在のキリスト教のような姿である訳はないのだ。

もっと濃い、聖なるというよりは

土臭く、汗臭く、薄暗がりから漏れるわずかな光のような
光輝くイエスの言葉。

それは『ロゴス』というよりは
『ダバール』として、湧き出でる泉のように

奥深く、エネルギッシュであったのではないだろうか。


(9)に続く