映画「トウー・ウィークス・ノーティス」 (2002年作)

人権派弁護士のハーヴァード卒のルーシーが、ひょんなことで、
敵視する大会社の社長専属弁護士になるが、それには思い出の建物
コミュ二ティ・センター(公民館)を壊さないことが条件だった。

ウエイド社の顔であるジョージを、実質支配しているのは、兄のハワードだった。
気弱で女たらしのジョージは、兄に逆らえない。

弁護士ルーシー役に、サンドラ・ブロック
富豪ジョージ役には、ヒュー・グラント

仕事のできるルーシーなしではいられなくなったジョージ。

ブライドメイトをしている結婚式の最中にまで、電話がかかってくる。
離婚の手続き、家具選び、服選びにまでかり出される。
うんざりしたルーシーは、ジョージの会社をやめようと思い、転職を試み、
あちこち面接にいくが、ジョージがことごとく邪魔をする。

結局、ジョージはルーシーの辞表を受け入れるが、いざそうなると、
ルーシーの気持ちに、微妙な変化が起きる。

後任の弁護士ジューンもハーヴァード卒の美人だが、仕事と私生活を
分けられないルーシーと違い、割り切っていた。
ジューンは要領よくジョージに近付き、退社直前のルーシーの気持ちを乱す。
ルーシーは、彼女に対して、妙なライバル意識が湧いてくるのだった。

パーティで、美しく装い、ジョージといいムードになるルーシー。
だが、壊さないと約束したはずの思い出の建物が取り壊されることになると知り、
ルーシーは彼に裏切られた思いだった。

「どういうこと? 公民館は残すって約束よ」
「僕だって、兄貴に抗議したさ」
「問題はあなたよ。公民館を残すと、あなたが約束したのよ」
「この世のおわりでもないだろう。もう君だって辞めるんだ。どうだっていいだろう」
「信頼される人間になろうって気はないの?」
「これで精一杯だ」
「無能なフリして甘えてるだけよ。これでも、あなたの誠意を信じてたのに」
「……」
「はじめてあなたを嫌いになったわ」
「僕はかなり前から自分が嫌いだ。君の事も好きじゃなくなったよ」

その夜、ジョージがジューンと、下着姿で一緒にいる場にルーシーは出くわす。
二重のショックに、その夜、滅多に泣かないルーシーが泣いた。

次の日、最後の出社日、荒れるルーシーに、ジョージは言葉をかける。
「ゆうべはずっと電話していたのに…君は僕とジューンを見て、何か感じたはずだ」
だが、ルーシーは、憎まれ口しか出てこない。

「どうして素直になれないんだ!?…君といても楽しくない、君のような女はつまらない」
ジョージは冷たい言葉をルーシーに吐いてしまう。


ここらあたりから、ストーリーは佳境へと向かう。
…と言いたいけど、所々にコミカルな場面があって、楽しめることは楽しめるけれど、
脚本がちょっと、雑なんじゃないかなと思う。
ヒュー・グラントのもったいない使い方をしたと思える映画だと私は思う。
制作はサンドラ自身、ヒューは友達だとか、当時のインタビューで読んだっけ。

DVDのルーシーの声の吹き替えは、TVアニメ「NANA」の声を演じている朴路美さん。
昨夜、TVで「「NANA」を見ていて、それに気付いて、この映画を見直してみた。
(路の字の左横に王へんがつくのだけど、字が出ない(--;)

声の表情たっぷりで、はじめは松本梨香さんの吹き替えだと思い込んでいた。

NANAの声より、ルーシーの吹き替えのほうが、朴さんには楽しいだろうなと
想像するほど、面白いセリフがいっぱいある映画なのだ。