カフェ安南② 増田政一設計  2階住居の超広々感 片流れ天井と段差床で内部と外部眺望を一体化

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カフェ安南の続きである。
今回は店とは別の玄関から上がる2階住居部分だ。

印象はタイトルの通りで、これ以外、ピタッとくる言葉はないなあ・・・・。


オーナーの奥様が

「同じ場所で他の(候補にあがった設計図面の)家も建ててみたい!」

そうおっしゃるほどだから、どれもが面白い設計だったのだろう。

設計者の増田政一さんによると、アイデアは5~7つあったそうだ。
それを5つに絞り、最後に3つに、そして1つに・・・・絞る。
どんな設計だったのだろうか、興味は尽きない。

敷地は購入されたもので、カフェと住居を兼ねるというのは当初からの思い。

奥様はふつうに仕事をお持ちである。
子育てにもいい土地、住宅であることは条件となる。

公園が隣接。

大きな樹木が何本も何本も・・・・
目の前の広い道路は大きな団地がえんえん続く通り。

狭山市駅からバスを乗り間違えてしまっても、少し歩くと着く。
いや、実はちょいとした距離を歩いたかも・・・・(汗)
だが、便利は便利。

アメリカの広い地方都市にあるような、大きな道路に
面した、ちょい街なか風にしつらえたかのような
大味だが小ぶりな商店が並ぶ。
その商店街の一角のチョーリッチな風情のカフェ安南であるが。

実は、あちこちにローコストな工夫がしてある。

「お金持ちに見られてしまうんですよ」



枝葉が気持ち良さそうに揺れる何本もの樹木。
まるで林のように見えるが、建築着工当時は何もなく
出来てから、カフェの窓からの青々と茂った木々の窓の景色に驚いたそうだ。


これを建築家はちゃんと計算して設計しているということに
プロの技ということを感じたという。

ワタシは、安南のような全面ガラス張りというのにヨワイ。

昔から人が通るのを眺めるのが好きで
ボーッとできるカフェは、自分的には上位にランクする。


住宅併設店舗の設計というのは、プライバシーの面で難しいと思う。


そば屋、医院、菓子屋、和服店など、昔の設計だと
プライバシーがないようなのが、友達の自宅などにも結構あった。

今は・・・・・かっこいい設計が増えてきて、ワクワクするんだけど
十年前、ワタシはSOHO(スモールオフィス&ホームオフィス)の
インテリア・デザインが大好きでハマッていたが☆

シンプルとか、使い勝手の良さというよりは、なんていうのかな
デザインが融通無碍というか
たとえばテーブルは衣装ケースに板を置いたもの。
カーテンはプチプチ。
間仕切りは卵のケースをつないだもの(つなぐとガラスブロックのように見える)。
これをワタシは、超かっこいいと思っていた。

実はいまでも思っている(笑)

そういうワタシを理解できるヤツは・・・・・おらんやろー・・・・・orz

しかし、床が階段状になってたり、足元に埋め込みライトだったり、
思い出せば、自分の手で自分のオフィスをつくる工夫は
人の数だけ面白さがある。

この安南の階段状のワンルーム空間は
そんな自作スタジオを手作りしたような、若々しさを感じた。

さて。

安南自宅部分であるが、説明すると

270センチ×360センチの四角を思い浮かべていただきたい。
約6畳くらいのフローリングである。
それを15センチずつ段差をつけて、横向きに3つ配置する。

2階はそんな空間が主役となる。

そして

その奥に、4畳大の広いバルコニー。

晴れた日は、ここで食事ができそうなゆったりした広さ。
ここに洗濯物を干すことは許されない。

公園から見えてしまうバルコニーは
生活感が出ないようとの配慮とも思えないが
ひさしもふつうより思いきり上の方にある。

アイランドキッチンにして、オープンさに徹しているあたりは

潔さのようなものを感じて、これも若々しい。

キッチンがフル・オープンキッチンというお宅を見ると
片づけに自信があるのか、もはや開き直りなのか
ときどきわからなくなるけど

このお宅の場合は

「使いやすいから」という理由に徹しているというか
徹底した合理性にこだわった結果なのかなあ~
と思ったが

もしかしたら、

「かっこいいから」

もアリかな?と思った。
だって美男美女だもん。


徹底して解放感を
言うなれば、家事からの解放を
日常からの逃避を
生活から時間という概念の削除を
地べたからの浮遊を
季節からの恩恵を
人間としての発展を

というような思いの高まりと
圧倒されるような「解放感」と「心地良さ」が
充満しているような気さえしてくる。
働くのがいやになりそうな2階部分だ(笑)

時間が、自由に自由に自由に流れてゆこうとする空間。



この18畳大の空間、いくつかの部屋へつながるドアがある。
一番奥が寝室。
寝室の上部分がロフト。


外玄関から入り、2階への階段を上りきると
左手に
画像のような大空間が広がる。


片流れ屋根天井が
手前から奥に、外部へ向かうにつれて
次第に広くなってゆくのだが

段差もとも2段階、15センチずつ高くなってゆく。


こうして生み出される錯覚によって
このスペースは実際よりずっと広く見えてくるから不思議だ。

窓の高さ、ひさしの高さ。
これでもかというくらい、広くみせるための工夫が
そっと・・・・されている。

さりげないのに、なんて大胆なんだ!?

なんと幸運な施主さん!

この空間は施主さんが日頃属している場からの

気持ちの切り替えには、かなり効果的な設計だと思われる。


不思議だが、窓に向かう毎に15センチ上がっている段差が
これまたパーテーションなどで区切れば
個室に変身しそうな不思議な感じ。

この家は狭小住宅ではなく十分広くて
将来のお子さんの部屋と納戸もあるが

ロフト部分を活用すれば
もっと広く使えるかもしれないと思う。
(だが、ゼイタクに使っていそうだな~)

と勝手なこと言ってます(^^;)


あちこち施主夫さんの日曜大工家具が
カフェにも
住宅部分にも

スタイリッシュな空間に

ほっこり

アットホームなコーナーをつくり出している。

これがあったかくって、イイ☆
モトがかっこよすぎるもん


増田政一さんのブログ ていねいなデザインのナチュラルモダンな家に住もう

http://blogs.yahoo.co.jp/arcdesignmasuda

カフェ安南の書庫

http://blogs.yahoo.co.jp/arcdesignmasuda/folder/1033720.html


(画像は増田さんからお借りしました)


....(;^^)_旦~~


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 無理にとはいいませんぞ(笑)