善霊に『道なき道を歩みなさい』と言われたら、あなたならどうしますか?

長い旅の果てに、貧しく疲れ果てた
とある一族が

とある土地で受け入れられたところから
始まる有名な物語が頭に浮かんでいた。

モノに恵まれたものの
やがてその土地の不品行に染まってゆく一族。

モノや開放的な気持ちの自由を得た彼ら。
快適な日常が当たり前になった。

だが彼らは信仰心を失った。

旅をしていた貧しい頃には、謙虚な心根と、まっすぐな精神があった。

モノを大切にし、モノを生かす気持ちを持っていた。

だが、もはや安定した暮らし、安楽な、安全な環境のなかで……

一族が大切な信仰を見失った事に気付くのが遅すぎたのか…

善なる霊達は、一族に言った。
『この土地を出なさい』と。

その土地は、激しい地鳴りと共に崩れさってゆく。

気付いた者達は間に合ったが
心地よさに流されていた者達は、ついに気付く事はなかった。

人間の意識が快楽を貪る方向に流れ
それが人間の精神に悪影響を及ぼすならば
この土地のようになるのではないだろうか?

我々は、道なき道を旅する一族の

旅の続きをしなければならないのかもしれない。